
単行本よもやま話

カバーの打ち合わせ時、担当編集氏が「高橋拡那さんの短編集(銀河六巡り・チオノポリス・しらまり・三角サンドなど)みたいな感じで、背(細い所)に大きくキャラクターがいるの良いと思うんですよ」と仰いました。
私、学生の頃は本当に毎日古本屋に通っていて、古本屋って通常の書店のように本が平積みされているわけではなく、ほとんどが棚に挿さってるんですよね。
棚に挿さっているので、背にあるタイトル・作者名・デザイン・時折入っている小さな絵…でしかその本を判断できない。
そんな中で高橋拡那さんの短編集たちは確かに異彩を放ち、本棚の中で光り、そのインパクトで私も手を伸ばしたことをふと思い出しました。懐かしい記憶です。
そうして『波間の子どもたち』の単行本は表紙に帳、背に王子を配置することになりました。
波間の子どもたちは一応二人が主人公で、書店に並べて頂く際、背は第二の顔なので、どちらから見ても魅力的な本になればいいなあと思っていたら魅力的な本が出来ました。尽力して下さったデザイナーの岩井美沙さん、試行錯誤して下さった印刷所さんのおかげだと改めてしみじみ思います。ありがとうございます。
そんなわけで同時期刊行の青騎士コミックスの背はキャラクターたちが踊り、彩り豊かなわけですが(笑)青騎士コミックスレーベルの棚が祭りのようになるのもこれまた一興と、増えていく単行本を眺めながら楽しい気持ちになるわけです。